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石川県におけるGX志向型住宅に関する補助金や制度について

コラム / 2025.02.01

GX志向型住宅の定義と全国的背景


「GX志向型住宅」とは何か

 GXとは「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略で、

脱炭素社会への転換(カーボンニュートラル実現)と経済成長の両立を目指す概念です。

2023年6月にはGX推進法(正式名称:「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」)が施行され、

官民協力でCO2削減と経済発展を図る枠組みが整えられました。

建築分野では省エネ建築の普及が重視され、新築住宅への省エネ基準適合義務化(省エネ法改正)などが進められています​。

こうした背景の下、政府はZEH基準(水準)を大きく上回る省エネ性能を持つ住宅を

「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅」と位置づけ、

脱炭素社会に向けた新たな住宅モデルとして推進しています​。

全国的な施策との関連

2050年カーボンニュートラル実現に向け、住宅分野の省エネ化は重要な柱です。

国土交通省・環境省は2024年度補正予算で「子育てグリーン住宅支援事業」を創設し、

高い省エネ性能を持つ住宅の新築を強力に支援しています。この事業では、

GX志向型住宅の新築に対し1戸あたり最大160万円の補助金を用意し、広く全世帯を対象に普及を図っています。

(※従来の長期優良住宅やZEH水準住宅への補助は最大100万円かつ若年・子育て世帯限定でした​。)

環境省も「脱炭素志向型住宅の導入支援事業」として本事業を位置づけ、国交省と連携して

GX志向型住宅の普及拡大を目指しています​。このようにGX志向型住宅は、

国のGX戦略(グリーン転換戦略)の一環として制度設計されており、

住宅分野の脱炭素化の象徴的な取り組みとなっています。

石川県におけるGX志向型住宅の基準・条件


性能基準の概要

GX志向型住宅と認められるためには、国が定めた以下の3つの性能要件すべてを満たす必要があります。

(1) 断熱性能等級6以上であること(地域区分5・6の場合はUA値0.46W/m²K以下が目安​)。

(2) 一次エネルギー消費量削減率(再生可能エネルギーを除く)35%以上であること。

高断熱化・高効率設備導入により、標準住宅比でエネルギー消費を35%以上削減することを指します。

(3) 一次エネルギー消費量削減率(再生可能エネルギーを含む)100%以上であること。

これは太陽光発電等の創エネによりエネルギー収支が正味ゼロ以上(いわゆるZEH相当)になることを意味します​。

さらに、付帯条件としてECHONET Lite AIF規格対応のHEMS(エネルギーマネジメントシステム)の

設置も求められています​。

 

石川県の気候条件への配慮

石川県は冬期の積雪が多い多雪地域に該当します。GX志向型住宅の基準では地域の特性に応じて

創エネ要件が緩和されており、多雪地域や狭小地等の場合、上記(3)の再生可能エネルギーによる100%削減要件が免除されています。

つまり、石川県内(垂直積雪量100cm以上の地域​)で建設する住宅は、太陽光発電設備を搭載しなくても

断熱性能等級6以上かつ一次エネルギー削減率35%以上を満たせばGX志向型住宅として認定されます​。

これは日射量が少なく冬季の積雪障害がある北陸地域の事情を踏まえた特例であり、

石川県のビルダーや施主にとっては高性能な躯体・設備のみで160万円の補助対象となり得るメリットがあります。

要件緩和とはいえ、断熱・省エネ性能自体は非常に高い水準が求められるため、

石川県内でも高度な設計・施工技術によって基準をクリアする必要があります。

 

補助金・支援制度(国および石川県・市町村)


国の支援制度:「子育てグリーン住宅支援事業」

GX志向型住宅の新築には国から最大160万円/戸の補助金が交付されます。

本補助金は世帯属性を問わず利用可能で、子育て世帯・若者夫婦世帯以外でも受け取れる点が特徴です。

申請にあたっては、建築事業者が事前にGXへの協力意思表明(GX建築事業者登録)を

行っていることが条件となります。協力表明をした事業者は公式サイト上で「GX建築事業者」として公表され、

補助申請手続きを行うことができます。なお長期優良住宅やZEH水準住宅の場合は

補助額が80~100万円/戸(解体伴う場合加算あり)に留まり、対象世帯も子育て・若者世帯に限られるため、

GX志向型住宅は最高額かつ最も広い対象層向けの支援策といえます。

 

石川県の補助制度

石川県独自に、住宅の省エネ化を促進するための「住まいの省エネ促進事業費補助金」を実施しています。

令和7年度(2025年度)は、新築住宅の高性能化や既存住宅の断熱改修に対し一律40万円の補助金が交付されます​。

対象となるのは、国の省エネ住宅補助(国交省や環境省のZEH等補助)を受けて新築する住宅で、

具体的には「ZEH」「Nearly ZEH」「ZEH Oriented」等の基準を満たす住宅が該当します

(※GX志向型住宅はZEHを上回る性能であり、実質的に条件を満たすと考えられます)。

補助を受けるには石川県内に自ら居住すること、県認定のエコ住宅アドバイザーの監修、

県のエコファミリー登録などの要件があります​。この県補助により、

例えばGX志向型住宅の場合は国160万円+県40万円=最大200万円の支援を受けられる可能性があり、

初期費用負担の軽減に大きく寄与します。

 

市町村の支援策

石川県内の各市町でも、省エネ・創エネ設備の導入支援や定住促進策と組み合わせた

住宅補助制度が用意されています。例えば、金沢市では太陽光発電や蓄電池、高効率給湯器、断熱窓などを

設置する場合に費用の一部を助成する「創エネ・省エネ・蓄エネ設備設置費補助」があります

(※太陽光発電システム設置にはHEMS併設が必須)。

また七尾市能美市でも、「省エネ住宅促進事業補助金」や「自然エネルギー設備設置補助金」など

独自制度を設け、ZEH等の新築や設備導入に対する助成を行っています。

これら自治体独自の支援は金額こそ国・県より小さいものの、太陽熱利用設備や窓リフォームといった

細かな項目にも適用される場合があります。石川県でGX志向型住宅を建てる際は、

国・県・市町の各種補助を重ねて活用することで、トータルコストを大きく削減できる可能性があります。

最新の公募情報や条件については各自治体の公式発表を参照してください。

 

工務店がGX志向型住宅を導入するメリット


営業面での優位性

工務店にとってGX志向型住宅を提案できることは、大きなマーケティングメリットとなります。

第一に、最大160万円の国補助金という経済的メリットは顧客に強くアピールできます。

実際、営業の場では補助金による初期負担軽減と光熱費削減によるランニングコスト低減を組み合わせ、

その経済効果をデータで示すことが効果的だと指摘されています​。

高性能住宅による月々の光熱費節約効果や、太陽光発電の売電収入見込みを具体的に提示すれば、

顧客の関心を引き付け契約につなげやすくなります​。第二に、GX志向型住宅を提供できる工務店で

あること自体が差別化要因になります。政府の推進する最新基準に対応している点は会社の信用力向上につながり、

実際にGX住宅を建築する事業者は公式サイトで公表されるため対外的なPR効果も期待できます。

環境配慮や最先端技術に積極的な企業としてブランディングできることで、

新規顧客の獲得や他社との差別化に寄与します。

 

技術面での向上・将来への備え

GX志向型住宅に取り組むことは、工務店の技術力向上と将来への備えにもなります。

断熱等級6以上や高度な省エネ設備の採用には、従来以上に綿密な設計施工や商品知識が必要です。

これに対応する過程で社内の設計力・施工力が底上げされ、結果として全棟の住宅品質向上に

つながります。また日本の省エネ基準は今後ますます厳格化され、2030年には新築住宅での

ZEH水準クリアが義務化される方針です。早い段階からGX志向型住宅レベルの家づくりに慣れておくことで、

将来の法規制強化にも余裕をもって適応でき、ビジネス上のリスクヘッジとなります。

さらに高性能な住宅は資産価値の維持・向上にも寄与します。

環境性能の高い家は市場評価が上がりやすく、将来中古で売却する際にも需要が高い傾向が期待できます。

ひいては顧客満足度や信頼性アップにつながり、工務店にとって長期的なブランド価値の向上という

メリットも得られるでしょう。

 

顧客ニーズへの対応

現在の住宅購入層は、省エネ・創エネへの関心や光熱費高騰への不安が高まっています。

GX志向型住宅は「冬暖かく夏涼しい快適さ」と「エネルギー効率の良さ」を両立できるため、

健康で快適な暮らしを求める顧客ニーズに応える有力な商品となります。

高断熱・高気密住宅はヒートショック防止や結露抑制にも効果があり、家族の健康維持にもプラスです。

さらに環境意識の高い顧客層に対しては、自宅で脱炭素に貢献できるという付加価値を提供できます。

「我が家もGXの一翼を担っている」という満足感は、単なる経済性以上に購入動機となり得ます。

工務店にとっても、補助金手続きを代行しつつ最新技術を盛り込んだ住宅を提供することで

顧客満足度の向上が期待できます。その結果、口コミ紹介の増加やリピート受注(将来的なリフォーム相談等)に

つながる可能性もあります。以上のように、GX志向型住宅の導入は営業上の訴求力、社内技術力の向上、

顧客満足への貢献という多面的なメリットを工務店にもたらします。

 

Soi外壁塗り壁材のGX志向型住宅への活用可能性


Soi塗り壁材の特徴と環境性能

「Soi(ソーイ)」は石川県の建材メーカー・カントリーベース社が開発した国産の外壁用塗り壁材です。

その最大の特徴は、高い撥水性と調湿性を両立している点にあります。

Soiはシリコン樹脂を配合した漆喰系仕上げ材で、雨水を弾きつつ内部の湿気は通すため、

外部からの雨侵入を防ぎながら壁体内の湿気を放出できます​。この性質により、

日本の高温多湿な気候下でも壁内部の結露やカビ発生を抑制し、室内環境を清潔・健やかに保つことができます​。

調湿効果のある壁は室内の湿度安定に寄与し、省エネ住宅で重視される快適性向上にも繋がります​。

また、Soiは国産の高品質石灰を主原料として国内製造されており、

ホルムアルデヒド放散量最上位規格のF★★★★も取得済みです​。

化学物質の放出が少ない自然由来素材であるため、シックハウス対策や室内空気質の観点でも優れています​。

 

GX志向型住宅との親和性(環境性能・CO₂削減)

塗り壁材全般は環境負荷の小さい建材として再評価されています。モルタル下地+塗装仕上げに比べ、

漆喰系塗り壁は施工時のCO₂排出量が少なく、石灰や粘土など自然由来の原料で構成されるため

製造時の環境負荷も低めです​。さらに漆喰(石灰石)は硬化過程で空気中のCO₂を吸収・固定化する性質があり、

長期的にはカーボンシンク効果も期待できます(石造建築の白壁が経年で硬化する反応)。

環境省も「塗り壁はCO₂削減効果や調湿機能、耐久性の高さなど多くのメリットを持つ建材」であり、

脱炭素社会に資する建材選びとして注目されているとしています​。

Soiはそうした塗り壁材のメリットを最大化するよう開発されており、撥水性能は

経年でさらに向上して約15年持続するなど耐候性・耐久性にも優れています。

耐久性が高いということはメンテナンス頻度を減らせる(再塗装や張替えによる資材・エネルギー消費を

削減できる)ため、ライフサイクル全体で見た環境負荷低減にも貢献します。

実際、防汚・防藻効果によって外壁の美観が長持ちし、万一クラックが生じても部分補修が容易であるため​、

従来は敬遠されがちだった「汚れ・割れ」の問題をクリアしています。

これは施主にとっても建築会社にとっても安心材料となり、

長く愛着を持てる家づくりに寄与します。

 

GX住宅への活用シナリオ

GX志向型住宅では高断熱化のため外壁断熱材を厚く施工するケースが多くなりますが、

Soiは外断熱工法にも対応可能です。下地調整材(Soiベースコート)と補強メッシュを

組み合わせることで、断熱材上からの直仕上げも高い付着性・耐ひび割れ性を実現しています。

つまり、外壁仕上げにSoi塗り壁を採用しても高断熱仕様との両立が可能です。

加えて色・テクスチャのバリエーションも60種類以上あり​、モダンから和風までデザインの

自由度が高い点もメリットです。GX志向型住宅は性能重視になりがちですが、

Soiを用いることで意匠性と環境性能を両立した外観を実現できます。SDGsや脱炭素を意識した

高性能住宅を提案する工務店にとって、Soiはまさに「高性能住宅やSDGsを目指す工務店様におすすめできる」

塗り壁材と言えるでしょう​。総じて、Soi外壁塗り壁材の活用はGX志向型住宅の環境価値を一層高め、

快適性・耐久性にも寄与する有望な選択肢です。環境省の示す脱炭素建材の観点(低炭素・調湿・高耐久)に

合致する素材であり、石川県発の建材として地元工務店が積極的に採用する意義も大きいでしょう。

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